2013年03月03日

貴方にも上手に張れる、キャンバスプライヤー


キャンバスを張り始めてかれこれ50年経ちます。
1960年代までは、張りキャンバスなどという製品は無く
画材店では、キャンバス布と木枠を別々に仕入れ、店頭で張っていました。
当時は、キャンバスを張りは店の仕事の中で
かなりのウエイトを占めていたように記憶しています。

私は父母が歳をとっていたので、中学生の頃から学校から帰ると
キャンバスを張るのが日課でした。
工作少年だった私にとっては、嫌いな作業ではありませんでした。

現在では張りキャンバスが大変安価になり、需要の殆どがそちらに移ったので
キャンバスを張る仕事は非常に少なくなりましたが
30号以上の大きなキャンバスは、変わらず店内で張っています。

大きなサイズは展覧会用に使われ、長期間の製作に耐える必要があるため、
良いキャンバスを、そこそこのお値段でお使い頂きたいと、
慎重に布を選んで仕入れ、店内で張ることにしています。

そのような次第で、キャンバスにはことのほか思い入れがあります。
一時期、「絵の具を塗ってしまえばなんでも同じだから、どんなものでも良い」
と言う風潮がありましたが、
絵の具の載りの良さ・仕上がり時の艶や発色の良さ、描きやすさの違い
ということを御理解くださるお客様が多くなって、
当店張りキャンバスのご指名が増えています。

絵を描くのには基底材となるものをしっかり選ぶことが大変大切です。
「長時間勢力を傾けるものですし、描き換えが出来ないものですから
安心できるものを選ぶ」と良い製品を選んで下さる方が増えているのは
画材屋としてはうれしいことです。

さて、キャンバスを張るのには、プライヤーと金槌と釘抜きがあれば出来ます。
それとゴム製のハンマーがあれば、傷を付けずに木枠を組み立てられます。
ご自分で張られる方は、プライヤーで仕上がりが変わってきますので
良いものを選びましょう。
私が長年使っていてお奨めできるのはこちらです。

canvaspliyer.jpg

HOLBEIN製でカタログには特殊鋳造鋼使用とうたってあります。
とにかく10年以上使っても、狂わないし壊れません。
刃先には滑り止めのウレタンが貼ってありますが、摩耗したら交換が出来ます。
ブレードの幅もちょうど良く、重さも適度で握りやすく、大変使いやすいプライヤーです。
頻繁に仕事に使ってもびくともしませんから、一般の方がお使いになれば一生ものです。
いろいろなプライヤーを使ってみましたが、これが一番お奨めです。

このプライヤーを使い、ブレードの幅と同間隔で釘を打つと、上手に張れますよ。

posted by shiro at 15:21| キャンバス

世界が変わる、細目キャンバス


私共の店では、キャンバスにこだわりを持っています。
絵の具の乗りが良く気持ちよく描け、耐久性に優るということは
基底材としての最低条件だと思うからです。
実際、製作の進み完成にかなり大きく影響します。

油絵の具は、接着力・耐久力ともに非常に強い描画材料で
紙にでもベニヤ板にでも壁紙にでも、何にでも描けてしまいます。
しかし描く相手によって、発色や耐久性が大きく変わります。
私どもでは、年月を経た作品の額装を承る機会が多いのですが、
良い基底材を使った作品とそうでないものとは、違いを感じます。

一部のホームセンターで扱うようになり、通販で安売り合戦されたりするうちに
「キャンバスなんてなんでもいいんだよ」
「楽しめればいいのだから、とにかく安いものでいいんだよ」
といった風潮が一般的になってしまいましたが、
良いキャンバスの描き味は確実に違います。

現在安売りされているのは、アクリル絵の具共用キャンバスです。
出荷量の減少とともに、油絵専用のキャンバスが高価になってしまいました。
しかし絵の具の載りと描きやすさにおいては、
アクリル共用キャンバスとは比べ物になりません。

当店ではその違いをお話しながら販売を進めてきましたので、
高価ながら油絵用キャンバスをご利用くださるお客様のほうがずっと多い状態です。
「アルスのキャンバスは描きやすい」
と、おっしゃってくださるお客様がたくさんいらっしゃるのは
とてもありがたいことです。

油絵専用の細めキャンバスを一度使ってみてください。
世界が変わります。

タグ:キャンバス
posted by shiro at 14:14| キャンバス

これでわかった,水彩紙のサイズ


油絵の具と比べると、水彩絵の具の需要が増えています。
扱いが簡単なことが、時代に合っているのかもしれません。
しかし簡単なはずの水彩画で、ややこしいのが紙のサイズです。

昔は水彩紙を半切したり、四切して描きましたが
最近は、油絵のサイズに合わせて描くのが一般的になり
小さな作品では、F4 や F6、F8、F10サイズなど、
大きくなると F40、F50、F60号などのサイズが良く描かれています。

ところが、ワトソン紙などのポピュラーな水彩紙の
四切(四六判四切)を10号、
半切(四六判半切)を20号、
全判(四六判全紙)を40号と呼ぶ習慣が有ることから混乱が生じています。

10号の額縁のご注文を頂いてお渡しすると、ワトソン紙の4切だったり、40号で注文いただくと全判だったりして、大変困ることがあります。

これはキャンバスサイズと紙のサイズの違いがご理解頂けないのが原因です。
そこで、当店では紙のサイズガイドを作り、差し上げています。

papersize.jpg


この図からも分かるように、水彩紙はいろいろな寸法で作られているので、はじめから額縁に合わせたサイズに切って描いて頂くのが、一番経済的な方法です。
紙を切ったときに少々捨てる部分が出たとしても、額縁に入れる段階では、大変お得になります。

なぜこのようなことになるかというと、原因は紙を製造する機械にあります。
紙の需要は、ほとんどが印刷用なので、機械の幅が印刷用紙向けにできています。
そこで作られる水彩紙は、印刷用紙の規格で出来上がってくるので、そのまま使うと額縁のサイズとは合わなくなるということになります。

さて、額縁は水彩紙を入れるものを「デッサン縁」と呼んで、通常13サイズ有ります。
これに合わせてあらかじめ紙を切って使うと良いのですが、
大変サイズが細かいので、キャンバスのFサイズに合わせてしまうのが、最も分かりやすい方法です。

・小さいサイズは、スケッチブックに合わせて切る。
・12号以上の大きなサイズは、パネルに貼って描く。
このようにすると、寸法も間違わず、額縁も規格品が使えます。

なお、F40以上の大きなサイズをパネル張りする場合は
水彩紙のロールが発売されていますので、そちらから取ります。
現在の水彩紙で一番大きいロールは、F130号まで取ることが出来ます。

また、ワトソン紙は、F40,F50,F60の各サイズ・パネル張り用に裁断済みが発売されています。

ちなみに、ほとんどの美術用紙の原版は、1,091×788mm (四六版)で、平版とロールでは、面積計算ではロールのほうが、ロール製作代が掛かった分、割高になっていますので、平判から取れるサイズは平判を求めて切った方がお得です。

昔は、紙は切って使うのが常識でしたが、今の消費者の皆様は便利に慣れています。
紙を買えば、そのまま額縁に入れられて当然と考えるでしょう。
画材の世界では未だに紙と額のサイズのリンクも成されていませんが
最近ようやく、F4?F10については額の種類が増えてきました。
なお、中判(欧米の水彩紙と日本のMO紙だけは、そのまま使用しても合う額縁があります。

紙のサイズを理解して、上手にご利用ください。

posted by shiro at 13:40| 水彩画

2011年03月26日

あなたも今日からパネル張り名人


「水彩紙のパネル張りが、上手に出来ない。」
「コーナーからシワが出来てしまう。」


こんなご意見をお客様から良く伺います。
でも簡単、
これだけ気を付ければ、誰でもきれいに水張りをすることが出来ます。

panelhari.jpg


  • 水はたっぷり付ける。(大きめの刷毛で、たっぷりと3〜4回付けます)
  • 紙を貼る前に良く伸ばす(裏返したら、良く伸ばします)
  • 周りを止めたら、水平に置いて乾かす


うまくできない方の工程を伺ってみると、短時間に作業して失敗している様子です。
水彩紙は、水を一回塗った位では充分な水量を含みません。結構の水分量が必要です。
1枚を20〜30分掛ける位いなつもりで、何度も塗って丁寧にやってみましょう。

それでもうまくできない方は、
こちらから、当店で制作した水張りのガイドをダウンロードして
お試し下さい。
あなたも今日からパネル張り名人になれますよ!


その前に、パネルの灰汁止めは必ずしましょうね。
なぜ灰汁止めが必要か?

aku.jpg

灰汁止めをしなかった為に、表面まで灰汁が上がってしまった作品例です。
とても良く描けているのに、もったいないですね。
灰汁を止める方法は、上記水張りガイドに載せてありますのでご覧下さい。

日本画用和紙の水張りは、方法が少しだけ違います。
「水張りのガイド」ではご説明をしています。

当店では上記の方法で、店主が水彩紙や雲肌麻紙をパネル張りした物を、
販売しています。
気にいった製品が手に入らない方は,メールか電話でお問い合わせください。
通信販売も行っています。

追記 ---------------------------------------------------------------

良くお問い合わせ頂く事柄

1)下張り時の糊の濃さ
刷毛で伸ばしやすい濃さに調節しましょう。
濃いめの方が張り付きが良く、作業性が増します。
木工ボンドとやまと糊の比率に特別な意味はありません。
基本はどちらも単独の接着力で間に合いますが
ボンドと糊を混合すると、粘度と乾燥時間が調節できとても
使いやすい状態になるので、行っています。
糊だけ単独で溶いておいてボンドと混ぜると、なじみよく混ざります。


2)下張りの紙の長さ
これも決まりは有りませんが、
表面だけ貼る長さに合わせるのは非常に難しい作業です、
また、パネルの裏側まで回すと、手間が掛かりますので、
横腹の途中のどこかで止めておくのがBESTです。
横腹に付ける糊は、少し濃いめにするとGoodです。

お問い合わせを下さる方へ ---------------------------

お問い合わせは、必ずメールでお願い致します。
申し訳ございませんが、お電話でのお問い合わせはご遠慮ください。
お返事は、手が空いた時にメールにてお答えさせて頂きます。
尚、メールは当店ホームページの「お問い合わせ」ページを御利用ください。

http://arsgabou.com/mailformpro4_ars/mailform_ars.htm
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posted by shiro at 00:00| 水彩画