2013年04月28日

キャンバス張り、4月は鬼門!

「購入したキャンバスがたるんだ」
というクレームが多いのは、3〜5月です。
なぜなら、この月は毎日の湿度の変動が激しいからです。
特に4月は最悪! 晴れた日は1日の平均値が30%台、
ひとたび雨になると90%台まで上がります。

麻布は、急激に水分を含むと縮み
徐々に含むと伸びると言う性質を持っています。

日常乾いている店内で張ったキャンバスを
風呂や洗濯、炊事など、生活の湿気が有る
お客様の家庭にお持ちになるわけですから
輪を掛けた湿度の変化が起こります。

家の周りに林がある、庭に緑が沢山ある
そばを川が流れている、芝生の公園がある
などというお宅はさらに湿度の影響を受け
たるみが激しくなります。

たるみが出たキャンバスをお引き取りして
店に置いておくと、すっかり元の
ぴんと張った状態に戻ってしまう場合がほとんどです。

canvas.jpg

昔のお客様は、湿気でキャンバスがたるむことをご存じだったので、
キャンバスプライヤーをお持ちになって
引っ張り直して使ってくださったので、
クレームがほとんどありませんでした。

しかし昨今のお客様は、メーカーで機械張りしたキャンバス育ちの方が多く
手張りのキャンバスは、湿度でたるんでシワが出る事を
ご存じ有りません。
いきおい、「お宅で買ったキャンバスはたるむ」
といったクレームに繋がります。

機械張りキャンバスは、はじめから強く張られていません。
機械では手張りほどのテンションが掛けられないからです。
また、平均に引かれているので、シワが目立ちません。
そこで、湿度でたるんではいるのですが、
手張りキャンバスほどの変化を感じないのです。

手張りでしっかり張られたキャンバスは、
気持ちよく描くための絶対条件です。
お客様には、いつでも気持ちよく描いて頂きたいと思います。

そこで対策として、湿度の低い日が続いた時には
キャンバスに湿度を与えてから張ることにしました。
といっても裏側から水分の与えすぎは禁物です。
極細かい霧を平均に掛けるために思いついたのが
額装の作業に使っている、塗装用のエアーガンでした。

blush.jpg

これを使い高圧で水を吹くと、
実に細かい霧を、広い範囲に平均に吹くことが出来ます。
吹いたあとを触っても、水分を感じないほど微量に与えられ
そのあとは、きっちり張り上げる事が出来ます。

この方法が良いか悪いかは、論が割れるところですが
今の時代のクレーム対処法としては効果が有ると思います。

しかし、キャンバスは生き物です。
麻布の出来、織り方、表面の塗料との関係など
不安定な要素が沢山あり、絶対の解決法は無いのです。

麻布を使ったキャンバスは、たるむもの。
と言う認識をぜひお持ち頂き、
ゆるんだら自分で引っ張る、をお願いしたいものです。

使いやすいキャンバスプライヤーはこちらです

posted by shiro at 15:41| キャンバス